吃音(どもり)とはなんでしょうか?
あなたが困っている吃音について、
わかりやすく解説しました。
より深く学びたい方、
吃音についてしっかり学びたい方のために
わかりやすく解説しました。
話すときに自分の意志とは関係なく
を吃音(一般的には“どもり”)と言います。
吃音の原因はいろいろ探求されていますが、いまだ確定していません。
しかし吃音を持つ方の症状の特徴は以前よりはわかってきています。
さて、吃音は症状によって区分けのようなものがあります。
その区分けが4つあることから、1層、2層、3層、4層と呼びます。4層が一番症状が重い状態です。
吃音は第1,2層から自然治癒する人もあります。
しかし吃音は進んだり戻ったりしながら次第に第1層、第2層、第3層そして第4層へと進んでしまう人もいます。
それではそれぞれの層についてみていきましょう。
多くの場合は第1層から始まり、繰り返しと引き伸ばしの順でどもりはじめます。
この段階では本人は症状に気づいていないので、どもっても平気で話し、恥ずかしさはありません。
そのうち第2層になるとブロックが生じ、言葉に詰まり始めます。
本人は自分の話し方に初期には違和感を持ち始めますが、
まだいつも話し方のことを考えている状態ではありません。そして恥ずかしさはなくまだ誰とでもよく話します。
第2層後半では随伴症状が加わり、目立つようになります。
この段階では本人も自分の話し方の異質性に気づきます。
随伴症状が出てくると周囲の人も違和感を持ち始めます。
そのうち周囲の人が「異質的な話し方は『他の人と異なっている』から
駄目なこと・困ったことだ」という価値観(吃音に対する否定的価値観)を持ち始めます。
この価値観から周囲の人は戸惑いの反応をしたりします。
この周囲の人の否定的な反応が、本人にも「吃音に対する否定的価値観」を持たせてしまう結果になります。
この段階で、多くの親は愛情から何とかしてやろうとがんばり始めることがあります。
その例として、世間に流布している発話技術(話し方の技術)の知識を得て、
子供に行わせようとします。
愛情からでた行動でも、偶然本人が見つけたものあっても、
発話技術(話し方の技術)を使い始めた時からが第3層です。
良かれと行い始めたこの発話技術が実は「吃音の二次的症状」の一つなのです。
この技術は使い始めた当初は即効性がありますので、
すぐ効果が出てブロックを押さえ込むことができます。
しかし効果が続くことはなく、またブロックが出始めます。
そして次の技術を探し、また短期間で効果がなくなり、次から次へと探し求めます。
こうして第2層で出るブロックを恐れて第3層の症状である発話技術(実は二次的症状)を用い、
重くなっていることに気づかずに、うまく言えない、駄目だ、恥ずかしという辛い思いをしながら、
何とかして言葉を出そうと努力(発話努力)をし続けます。
発話努力をして「何とか話そうとする気持ち」よりも、
「恥ずかしい・辛い・怖いと言う気持ち」が強くなった段階で、
少しずつ話すことを回避するようになります。回避を行い始めた時から第4層です。
この回避行動を何年にもわたって続けて行くと、ますます話すことや話す場面が怖くなります。
そしてうまく話せない自分、他者とうまくコミュニケーションができない自分は駄目だという
否定的考え方(否定的自己認識)が芽生えがちです。
残念ながら第4層になると自然治癒は無くなります。
なお、おおよそ第1層は幼児期、第2層は幼児期から小学校低学年、
第3層は小学校中学年、第4層は小学校高学年以降の場合が多いです。
成人であれば、例外を除いて第4層です。
アメリカの吃音の研究者であるバリーギター(1998年)は以下のことを述べています。
発話回避を行う段階に到った吃音の方(中期吃音、後期吃音)に対して行われてきた
従来の「流暢性促進訓練、吃音緩和訓練(吃音軽減訓練)、統合的訓練」は、
こうありたいという「流暢な発話」を最終目標に立てているが、実際に達成できる状態は
「コントロールした流暢性」か「受容可能な吃音」である。
「コントロールした流暢性」とは発話技術をずっと使い続けなくてはならない状態です。
「受容可能な吃音」とはこのくらいで良いかと受け入れられる状態のことです。
言い換えますと治らないと認めています。
これらの訓練法は発話症状(繰り返し、引き伸ばし、ブロック)に対し
発話技術を使って押さえ込もうとする吃音治療法です(直説法)。
回避が生じた段階(第4層)の吃音の方への
これらの発話技術を使った治療法で軽減、改善したと言われる場合でも、
第3層・第4層の段階にとどまっています。
つまりこれまで行われてきた吃音訓練法では、
根本的な吃音解消にはつながりません。
吃音者はいつも吃っているかと言いますと、
重い人でも多くの部分で正常に話していることがほとんどです。
しかし重くなると吃った部分に本人の注意が向きがちです。
しかし事実は上の図のように
吃音が重い人でも問題なく話している部分の方がずっと多いのです。
今まであなたは声をだして話す練習をしたり、
話すための色々な工夫をしたりして症状を抑え込もうと何年もまたは何十年も闘ってきました。
でもあなたは、今もまだ吃音に苦しんでいます。
話す工夫をして吃音と殴り合いをして何年闘っても、
吃音の苦しさからは逃れることができません。
もう吃音の症状と闘うのは止めましょう。
ではどうするか?
あなたのほとんどを占めている
「健常者と同じ自然で無意識な発話」をどんどん増やしていき、
いかなる生活の場面でも実現できるようになれば良いのです。
今まで吃音と闘うことしか経験のない方(学問的に言えば直接法だけをやってきた方)には、
そんなうまい事があるのか!?と思われるかもしれません。
吃音に対するアプローチは
私が、目白大学の教職員であった時に完成させた
「自然で無意識な発話への遡及的アプローチ(RASS)」の
「年表方式のメンタルリハーサル法」と「環境調整法」です。
この訓練法は、今までは一部の医療の分野でしか受けることができなかったものです。
この方法がやっと民間でも受ける事ができるようになりました。
年表方式のメンタルリハーサル法は、